他社株転換債(EB)とは、予め決められた企業の株価の動向で償還方法が変わることを特徴とする金融派生商品を組み込んだ仕組み債の一種です。
通常の債券は現金で償還しますが、EBでは連動する株式が一定の価格を下回った場合に現金ではなく、その株式で償還します。その際の株式数はあらかじめ決まっているため、株式での償還時には元本割れとなる可能性があります。元本割れリスクに対する見返りとして、年10%を超えるような高い利率が付き、価格変動の大きな株式に連動する債券ほど株式で償還される可能性が大きく、利回りはより高くなります。
具体的には、満期償還時にA社株が1000円未満の場合、A社株1000株で償還されるという発行条件の額面100万円の他社株転換債(EB)を購入したとします。償還時にA社株が1000円以上していたときは、100万円+高利率の利息を得ることができます。反面、償還時にA社株が1000円未満のときは、A社株1000株+高利率の利息を受け取りますが、A社株が850円であったと仮定すると、15万円が額面割れになってしまいます。
EBは流動性がほとんどなく、原則として中途解約ができない点に注意しなければなりません。また株価動向によっては満期を待たずに償還を迎える条項など、細かな条件が付く場合があり、複数の銘柄を対象として、そのうち一つでも一定の株価を下回ると株式で償還する商品もあります。
【同義語】 EB
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ヨーロッパ人がアジアや南北アメリカなどへの進出を始めた大航海時代、1602年にオランダで設立された「東インド会社」が株式会社の発祥とされています。
株式を発行して投資家から巨額の資金を集め、海外貿易や鉱山の開発、農場経営などを行なっていました。それまでにもヨーロッパでは希少価値であった香辛料等や金銀の貿易をするために一航海ごとに出資者を募集して、成功すれば得られた巨大な利益を分配するハイリスク・ハイリターンのシステムはありました。
しかし、会社という組織自体への出資者を集めて投資リスクの分散化を図り、近代的な簿記会計制度や取締役制度を整えて組織運営を行なったのは東インド会社が初めてだったのです。
その株式に当たる出資証明書は株主の権利とともに資産家の間で自由に売買されるようになり、出資者と事業運営者を明確に分離してその出資証券を流通させるという現在の証券取引の原形となりました。 |
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