発行会社から株式をあらかじめ定めた価格で取得できる権利のことを、新株予約権といいます。転換社債に付随する形や、ストックオプションとしての利用はありましたが、2001年の法改正で単独発行が可能になりました。 現在では資金調達や買収防衛策などに幅広く活用されています。
株式を取得できる価格を行使価格と呼びますが 、株価が高くなったときに権利を行使して株式を取得し、市場で売ると行使価格との差額分の売却益が出る仕組みになっています。行使価格100円の新株予約権を株価が130円のときに行使して、直後に株を売れば30円が差益になります。新株予約権は有償で発行されることも多く、その場合は予約権自体の価格を考慮する必要があります。
最近では新株予約権を買収防衛策に利用する企業が増えています。投資ファンドなどが大規模買い付けに動 いた場合に、会社側は既存株主に新株予約権を無償で発行。株主が権利行使をすることで、買収者の持ち株比率が低下する仕組みです。
ただ、新株予約権の乱発で一株利益が薄まれば、既存株主の利益を損なう恐れがあり、 企業側は既存株主への配慮が必要となってきます。
(日本経済新聞2008年7月記事より引用) |
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ヨーロッパ人がアジアや南北アメリカなどへの進出を始めた大航海時代、1602年にオランダで設立された「東インド会社」が株式会社の発祥とされています。
株式を発行して投資家から巨額の資金を集め、海外貿易や鉱山の開発、農場経営などを行なっていました。それまでにもヨーロッパでは希少価値であった香辛料等や金銀の貿易をするために一航海ごとに出資者を募集して、成功すれば得られた巨大な利益を分配するハイリスク・ハイリターンのシステムはありました。
しかし、会社という組織自体への出資者を集めて投資リスクの分散化を図り、近代的な簿記会計制度や取締役制度を整えて組織運営を行なったのは東インド会社が初めてだったのです。
その株式に当たる出資証明書は株主の権利とともに資産家の間で自由に売買されるようになり、出資者と事業運営者を明確に分離してその出資証券を流通させるという現在の証券取引の原形となりました。 |
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