ライツ・イシューとは企業が既存株主に優先的に新株を割り当てる、株主割当増資の手法の一種のことです。企業は既存の全株主に対していきなり新株を割り当てるのではなく、まず新株を購入する権利(ライツ)を無償で割り当てます。増資に応じる株主は権利を行使し、行使価格分の現金を会社側に払い込んで新株を得ます。
増資に応じてもらいやすくする目的で、行使価格は増資後の理論株価よりも低めにして行使を促します。増資に応じたくない株主は予約権を売却し現金を手にします。増資に応じなかった株主は1株利益の目減り分をライツの売却収入で補える可能性があるとされています。
現在の保有株1株に対し、新株を1株受け取れる予約権を1個割り当てた場合、株主が予約権をすべて行使すれば発行済み株式数は2倍に膨らみます。足元の株価が800円の企業が予約権を新株に交換する際の行使価格を400円に設定した場合、(800+400)÷2=600円が株価の理論値になります。増資に応じずに予約権を市場で売却する場合は、売却価格は600円と400円の差の200円が理論値になります。
ライツ・イシューを利用する際、発行企業にとっての利点は、発行決議時に資本の調達額と発行株数を確定できる点にあるとされます。
(2009年12月28日付日本経済新聞記事より引用) |
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ヨーロッパ人がアジアや南北アメリカなどへの進出を始めた大航海時代、1602年にオランダで設立された「東インド会社」が株式会社の発祥とされています。
株式を発行して投資家から巨額の資金を集め、海外貿易や鉱山の開発、農場経営などを行なっていました。それまでにもヨーロッパでは希少価値であった香辛料等や金銀の貿易をするために一航海ごとに出資者を募集して、成功すれば得られた巨大な利益を分配するハイリスク・ハイリターンのシステムはありました。
しかし、会社という組織自体への出資者を集めて投資リスクの分散化を図り、近代的な簿記会計制度や取締役制度を整えて組織運営を行なったのは東インド会社が初めてだったのです。
その株式に当たる出資証明書は株主の権利とともに資産家の間で自由に売買されるようになり、出資者と事業運営者を明確に分離してその出資証券を流通させるという現在の証券取引の原形となりました。 |
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