株主配分とは、企業の利益の一部を配当や自社株買いで株主に配分することをいいます。配当は株主総会で決めるのが原則ですが、一定の要件を満たせば取締役会決議でも決められます。配当金額の上限は会社法で決められており、利益の蓄積である利益剰余金が主な原資になります。株主が払い込んだ資本準備金も取り崩せば、配当原資にできます。
以前は配当による配分が主流でしたが、株価の低迷もあって自社株買いをする企業が増えています。自社株買いをすると市場に流通する株式数が減り、1株当たり利益が理論上増えることになります。
株主配分の指標としては純利益の内いくらを配当に廻したかを示す配当性向のほか、配当と自社株買いの合計額が純利益に占める割合を示す総配当性向があります。
株主配分の原資は純利益の積み上げのため、業績が悪化すれば減るのが一般的です。ただ最近は投資家から株主配分の拡大を求める声が強まり、業績が悪化しても配当を据え置いたり、増配したりするケースも少なくはありません。また、日本企業は欧米企業に比べて株主配分が少ないとされてきましたが、外国人株主の増加などを背景に、株主配分を手厚くする企業が増えつつあります。
(2009年2月12日、5月6日付日本経済新聞記事より引用) |
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ヨーロッパ人がアジアや南北アメリカなどへの進出を始めた大航海時代、1602年にオランダで設立された「東インド会社」が株式会社の発祥とされています。
株式を発行して投資家から巨額の資金を集め、海外貿易や鉱山の開発、農場経営などを行なっていました。それまでにもヨーロッパでは希少価値であった香辛料等や金銀の貿易をするために一航海ごとに出資者を募集して、成功すれば得られた巨大な利益を分配するハイリスク・ハイリターンのシステムはありました。
しかし、会社という組織自体への出資者を集めて投資リスクの分散化を図り、近代的な簿記会計制度や取締役制度を整えて組織運営を行なったのは東インド会社が初めてだったのです。
その株式に当たる出資証明書は株主の権利とともに資産家の間で自由に売買されるようになり、出資者と事業運営者を明確に分離してその出資証券を流通させるという現在の証券取引の原形となりました。 |
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